社会主義と共産主義の違いとは?資本主義と比べてやさしく整理
「資本主義」はなんとなくイメージできても、「社会主義」と「共産主義」の違いを説明しようとすると、意外と言葉に詰まるものです。ニュースでは中国やかつてのソ連が「共産主義国家」と呼ばれる一方で、福祉の手厚い北欧が「社会主義っぽい」と言われることもあり、ますますややこしく感じます。
ひとことで言うと、マルクス主義の考え方では、社会主義は共産主義へ向かう途中の段階で、共産主義は最終的に目指す社会です。ただし、社会主義にはさまざまな流派があり、すべての社会主義者が共産主義を目指しているわけではありません。
この記事では、ピコとブラウン管くんの会話を入口に、3つの「主義」の違い、ソ連や中国の実際、北欧の位置づけ、そして1960年ごろの日本やアメリカで共産主義が注目された背景までを順番に整理します。

資本主義はまあ大体わかるんだけど、社会主義と共産主義の違いって、いまいちわかってないんだよね。同じものじゃないの?

かなり似ているけど、同じではないんだ。マルクスの考え方だと、社会主義は「途中の駅」、共産主義は「終点」みたいな関係なんだよ。
3つの主義を表で比べる

まずはざっくり、3つを並べて見てみたいな。

いいよ。いちばんの違いは「工場や土地を誰が持つか」と「できた富をどう分けるか」だね。
| 資本主義 | 社会主義 | 共産主義 | |
|---|---|---|---|
| 基本的な考え方 | 個人や企業の自由な経済活動を重視 | 生産手段を社会で所有・管理 | 階級のない共同社会 |
| 工場・企業など | 主に民間が所有 | 社会的な所有・管理が中心 | 社会全体で共有 |
| 富の分配 | 市場や所得を通じて分配 | 公平な分配を重視(働きに応じて) | 必要に応じて分配 |
| 貧富の格差 | 生じることを認める | 縮小・是正を目指す | 階級による格差そのものをなくす |
| 国家 | ある | ある(しくみは流派によってさまざま) | 最終的には国家が消滅する構想 |
※社会主義・共産主義の欄は、主にマルクス主義の古典的な考え方をもとに整理したものです。
ここでいう生産手段とは、工場・機械・土地・原材料など、モノやサービスを生み出すための元手のことです。資本主義ではこれを個人や企業が持ち、社会主義や共産主義では社会全体で持つ、というのが大きな分かれ目になります。
社会主義とは:生産手段をみんなで持つ

社会主義の「社会で持つ」って、具体的にはどういうこと?

資本主義の工場と比べるとわかりやすいよ。いまの会社だと、利益や経営方針を決める権限は、基本的に持ち主の側にあるよね。
資本主義では、工場の所有者(資本家や株主)が利益を受け取ります。働く人は給料を受け取りますが、経営や利益の分け方を決める権限は、基本的に所有者の側にあります。
社会主義は、こうした生産手段を一部の資本家だけでなく、国・労働者・地域の共同体などで所有・管理しようという考え方です。その根っこには、資本主義のもとでは働く人が生み出した富の多くが持ち主の側に渡ってしまい、格差が広がるという問題意識があります。

じゃあ社会主義って、国が全部を管理するってこと?

そう思われがちなんだけど、実はやり方にもいろいろな流派があるんだ。
社会主義には、たとえば次のような立場があります。
- 国家主導型:国が主要な産業を所有し、計画にもとづいて経済を動かす(旧ソ連型)
- 民主社会主義:選挙や議会といった民主的な政治制度のもとで、社会的な所有を進める
- 市場社会主義:企業は社会で所有しつつ、市場での競争は残す
つまり、社会主義は必ずしも「国家がすべてを管理する制度」ではありません。「生産手段を社会で持ち、格差を減らす」という目標は共通していても、そこへの道筋は流派によって大きく違います。
共産主義とは:階級も国家もない社会

共産主義は、マルクス主義の理論では社会主義をさらに進めた先にある社会なんだ。

社会主義と何が違うの?
共産主義が理想とするのは、次のような社会です。
- 資本家と労働者という階級の区別がなくなる
- 工場や土地などの生産手段を共同で所有する
- 人々が能力に応じて働き、必要に応じて受け取る
- 階級を支配するための道具だった国家が、最終的には不要になる
「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」は、マルクスが1875年に書いた『ゴータ綱領批判』に出てくる有名な言葉です。また、マルクスの盟友エンゲルスは、国家は誰かに「廃止」されるのではなく、役目を終えて自然に「死滅」していくものだと述べています。

えっ、国家がなくなるの!? 共産党の国って、むしろ国がすごく強いイメージなんだけど。

そこが一番意外なところだよね。このズレはあとで詳しく見ていこう。
理論の上では、共産主義の最終目標は国家そのものが消えることです。現実の共産党政権が強大な国家権力を持っていたことを思うと、正反対に感じるかもしれません。
マルクスの構想では、社会主義は「途中の駅」

社会主義が「途中の駅」っていうのは、どういう順番なの?

3つの段階で考えるとわかりやすいよ。
- 資本主義:資本家が生産手段を所有し、市場で競争する
- 社会主義(低い段階):社会変革を経て、生産手段を社会で所有する。分配は「働きに応じて」
- 共産主義(高い段階):生産力が十分に発展し、階級と国家がなくなる。分配は「必要に応じて」
マルクス自身は『ゴータ綱領批判』で、共産主義社会を「低い段階」と「高い段階」に分けて論じました。その低い段階を「社会主義」、高い段階を「共産主義」と呼び分ける整理を定着させたのが、ロシア革命の指導者レーニン(1917年に執筆した『国家と革命』)です。いま一般に使われている「社会主義→共産主義」という区別は、この整理にもとづいています。

なんで最初から「必要に応じて」にしないの?

まだモノが十分にない段階で「必要なだけどうぞ」にすると、足りなくなってしまうからなんだ。
社会主義の段階では、まだ生産力が十分ではないため、働いた分に応じて分け合う必要があります。生産力が大きく発展し、誰もが必要なものを受け取れるほど豊かになって初めて、共産主義の「必要に応じて受け取る」社会が実現する、というのがマルクスの見通しでした。
ソ連や中国は「共産主義」ではなかった?

でも、ソ連や中国は「共産主義の国」って呼ばれてるよね?

そこがややこしいところなんだ。結論から言うと、マルクスが言う意味での共産主義社会は、歴史上一度も実現していないんだよ。
ソ連、中国、キューバなどは一般に「共産主義国家」と呼ばれますが、マルクス主義の理論に厳密に照らせば、共産主義社会に到達した国はありません。そもそも共産主義は最終的に国家がなくなる社会なので、「完成された共産主義国家」という言い方自体に矛盾があるのです。
| 国 | 実際の政治・経済体制 | 共産主義の完成 |
|---|---|---|
| ソ連(1922〜1991年) | 共産党の一党支配、計画経済 | 未達成 |
| 中国 | 共産党の一党支配、市場経済も導入 | 未達成 |
| キューバ | 共産党の一党支配、国家中心の経済 | 未達成 |
| 北朝鮮 | 朝鮮労働党による支配、独自の「主体(チュチェ)思想」 | 未達成 |
共通しているのは、共産主義を掲げる政党が権力を握っても、国家が消えるどころか、強力な国家機構を維持してきたことです。

実は、国の名前を見てもわかるんだ。ソ連の正式名称は「ソビエト社会主義共和国連邦」。「共産主義」とは名乗っていなかったんだよ。
ソ連自身も「まだ共産主義ではない」と認めていました。1977年に制定されたソ連憲法の前文には、ソ連が「発達した社会主義社会」を築いたこと、そして国家の最高目標は「階級のない共産主義社会」を建設することだと書かれています。つまり、社会主義は達成したが、共産主義はまだ先という立場だったのです。
中国も、憲法では自らを「社会主義国家」と位置づけ、いまはまだ「社会主義の初級段階」にあるとしています。1990年代からは「社会主義市場経済」を掲げ、民間企業や市場競争を広く取り入れてきました。
そのため、次の2つは分けて考える必要があります。
- 共産主義という理想:階級も国家もない社会
- 共産党による統治:共産主義を掲げる政党が国家を運営する政治体制
ここに大事な論点がある

じゃあ「本当の共産主義はまだ誰もやってないから、失敗とは言えない」ってこと?

そう主張する人もいるし、反対する人もいる。ここは意見が分かれるところなんだ。
「本当の共産主義は実現していない」という説明は歴史的には正しいのですが、それだけで共産主義という思想の良し悪しを決められるわけではありません。大きく分けると、次の2つの見方があります。
- 支持する立場:ソ連などの問題は、マルクスの構想した共産主義に到達できなかったことや、その途中で権力が集中してしまったことに原因がある
- 批判する立場:そもそも国家に巨大な経済的・政治的権力を集めると、それを手放すことは難しく、理想の共産主義社会にはたどり着けないのではないか
マルクスの想定では、社会主義を経て国家はしだいに不要になっていくはずでした。しかし実際の歴史では、多くの共産党政権で国家権力がむしろ強まりました。「共産主義は実現しなかった」という事実と、「共産主義を目指した政治体制が実際に何をもたらしたか」という歴史的な評価は、分けて考える必要があります。国家が最終的に不要になるという構想が現実に可能なのかどうかも、いまだに議論が続いています。
北欧は社会主義の国?

スウェーデンとかデンマークって福祉がすごいから、社会主義の国なんでしょ?

よく言われるけど、実は基本的には資本主義の国なんだ。
北欧の国々は、民間企業による市場経済を土台にしながら、高い税金や社会保険料で医療・教育・社会保障などを手厚くしています。工場や企業の多くは民間が持っており、生産手段を社会で所有する社会主義とは仕組みが違います。
このような考え方は、一般に社会民主主義と呼ばれます。歴史的には社会主義の思想から生まれてきましたが、現代の北欧型の制度は「資本主義の市場経済」と「手厚い福祉国家」を組み合わせたものです。
実際、2015年にはデンマークのラスムセン首相が、アメリカで「デンマークは社会主義の計画経済とはほど遠い。デンマークは市場経済だ」と説明したことがあります。当時、アメリカ大統領選で「民主社会主義者」を名乗るバーニー・サンダース氏が、デンマークを手本として挙げていたことへの反応でした。
1960年ごろ、なぜ共産主義が注目されたのか

昔、1960年ぐらいに日本やアメリカでも共産主義が話題になってたよね。あれって、ソ連が理想の国に見えてたの?

ソ連を理想の社会だと考えた人は、実際にいたんだ。ただ、1960年代になると話はもう少し複雑になるんだよ。
1960年代の日本やアメリカで社会主義・共産主義に関心を持った若者たちは、必ずしもソ連を理想としていたわけではありません。むしろ「資本主義にも不満があるが、ソ連型の共産主義にも問題がある」と考える人が増えていました。時代を分けて見ていきましょう。
1930〜1950年代:ソ連が「未来の社会」に見えた時代
当時のソ連には、世界の人々を引きつける要素がいくつもありました。
- 資本主義の危機:1929年に始まった世界恐慌で資本主義への信頼が揺らいだ一方、ソ連は計画経済で急速な工業化を進めていた
- 平等な社会への期待:資本家による搾取や貧富の差をなくすという理念に、多くの人が魅力を感じた
- ナチス・ドイツへの勝利:第二次世界大戦でソ連がナチス打倒に大きく貢献し、その威信が高まった
- 科学技術の成功:1957年に世界初の人工衛星スプートニク1号、1961年にはガガーリンによる世界初の有人宇宙飛行を成功させた

ボクが生まれるずっと前の話だけど、スプートニクのニュースは世界中を驚かせたらしいよ。アメリカでは「ソ連に負けた」と大騒ぎになったんだ。
特に宇宙開発は象徴的でした。ソ連はアメリカに先んじた成果を、社会主義体制の優秀さを示す宣伝にも使いました。1961年には、ソ連共産党が新しい綱領で「1980年までに共産主義社会を基本的に建設する」という目標まで掲げています。当時は、ソ連がいずれアメリカを経済的・技術的に追い越すのではないかという見方にも、一定の説得力があったのです。
1956年:ソ連への幻想が崩れ始める

でも、その後は人気がなくなっていくんだよね?

うん。きっかけになった出来事がいくつかあるんだ。
- 1956年 スターリン批判:ソ連の指導者フルシチョフが、スターリン時代の粛清や独裁を秘密報告で批判し、世界中の共産主義者に衝撃を与えた
- 1956年 ハンガリー動乱:ハンガリーで起きた改革・反ソ連の動きを、ソ連軍が武力で鎮圧した
- 1968年 プラハの春:チェコスロバキアの自由化改革に対し、ソ連を中心とするワルシャワ条約機構軍が軍事介入した
こうした出来事を受けて、社会主義そのものを捨てる人もいれば、「ソ連はマルクスの理想を裏切った」と考え、ソ連とは違う新しい社会主義を探す人も現れました。
1960年代の日本:ソ連への憧れだけではなかった
1960年の安保闘争では、日米安全保障条約の改定に反対して、学生、労働組合、社会党、共産党などが大規模な運動を繰り広げました。しかし、参加者の全員が「日本をソ連のような国にしたい」と思っていたわけではありません。反対の理由はさまざまでした。
- 日本がアメリカの戦争に巻き込まれることへの不安
- 岸信介政権が国会で条約承認を強行したことへの反発
- 資本主義社会の格差や労働問題への不満
- 社会主義革命を目指す思想的な立場
当時の学生運動には、日本共産党と対立する新左翼と呼ばれる勢力もいました。日本の左翼運動の内部でも、「ソ連の社会主義は本当に正しいのか」をめぐる対立があったのです。
1960年代のアメリカ:ソ連を嫌う左翼も多かった
1960年代のアメリカでは、若者を中心にニューレフト(新左翼)と呼ばれる運動が広がりました。代表的なのが、学生団体のSDS(民主社会を求める学生同盟)です。
彼らが問題にしたのは、黒人差別、経済的な不平等、ベトナム戦争、既存の政治のしくみなどでした。ただし、ニューレフトの多くはソ連を理想としていませんでした。資本主義を批判する一方で、ソ連の権威主義的な政治体制も批判していたのです。
一方で、1959年のキューバ革命には強い関心が集まりました。一部の若者や活動家にとって、キューバは既存の体制を変える新しいモデルに見えたのです。アメリカの1960年代は、「ソ連型共産主義の人気が復活した」というより、いまのアメリカ社会に代わる新しい政治や社会のしくみを模索した時代と考えたほうが正確です。
それでも共産主義に魅力を感じた理由

ソ連にがっかりしても、それでも共産主義に惹かれる人がいたのはなんでなの?

いまほど「共産主義は失敗した」とはっきりしていなかったし、理論そのものにも大きな魅力があったからだと思うよ。
当時のソ連は超大国として存在し、宇宙開発などの実績もありました。また、マルクス主義には、資本主義の矛盾を分析し、歴史はより平等な社会へ進んでいくという壮大な理論体系がありました。特に若い知識人にとっては、単なる経済制度というより、世界をより公正なものに変えられるという思想としての魅力があったのでしょう。もちろん、そうした期待と、実際に共産党が支配した国家の政治・経済的な成果は別の問題です。
まとめると、当時の左翼運動を理解するには、「ソ連への憧れ」「資本主義社会への不満」「ソ連とは異なる社会主義への期待」の3つを分けて考えることが大切です。
まとめ:社会主義は幅広く、共産主義はその先の理想

けっこうややこしかったけど、だいぶ整理できた気がする!

最後にポイントをおさらいしておこう。
最も重要な違いをひとことで言うと、次のようになります。
- 社会主義:生産手段を社会で所有・管理し、経済的な不平等の解消を目指す、幅広い思想
- 共産主義:その中でも、最終的に階級も国家もない社会を目指す思想
そして、社会主義には共産主義を目指さない立場もあるという点も重要です。この違いを押さえておくと、ソ連の社会主義、中国共産党、ヨーロッパの社会民主主義が、似た言葉を使いながら実際にはまったく違う制度をとっている理由が見えてきます。

つまり、社会主義は「みんなで持って格差を減らそう」っていう大きなグループで、共産主義はその先の「国もいらない理想の社会」ってことだね。ソ連や中国はそこを目指してたけど、たどり着いてはいない、と。
資本主義の行き詰まりが語られるいま、「では、資本主義でも共産主義でもない道はあるのか」という議論も盛んです。その候補については、資本主義の次はなに?7つの「新しい主義」で整理しています。
参考
この記事は、僕が気になったことを調べて、AIに文章をまとめてもらったものです。掲載している料金・サービス内容・URLなどは記事作成時点の情報であり、実際の内容とは異なる場合があります。最新の情報やお申し込みの際は、必ず各公式サイトをご確認ください。